ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の資産運用について
ビル & メリンダ・ゲイツ財団 (Bill and Melinda Gates Foundation) |
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総資産に占める投資の比率 (2005年) |
98.5% |
2006年にウォーレン・バフェット氏から同氏の所有するバークシャー・ハザウェイ株の寄付を受けて話題を呼んだビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(「ビル・ゲイツ財団」、「ビルゲイツ夫妻財団」とも訳す)ですが、その資産運用の実態はほとんど明らかにされていないようです。
その理由は必ずしもはっきりしていませんが、おそらくゲイツ家の家族財団、個人財団という性格が強いためであるかも知れません。事実、いくつかのプレスリリースでは、財団自ら「Family Foundation」と称している例が見受けられます。また、財団の資産を運用しているとされる、マイケル・ラーソン氏率いるBGIという資産運用会社が、もともとビル・ゲイツ氏の個人資産を運用することを主業務としている会社であることからも、その私的な性格が察せられます(「BGI」とはBill Gates Investmentsの略)。いずれにしても、財団の運用資産のうち、株式と債券の比率はどのくらいなのか、マイクロソフト社の株式がどれほど含まれているのか、ヘッジファンド、プライベート・エクイティなどの代替投資があるとすればその割合はどの程度かなど、もし明らかになれば興味深いことでしょう(一説によると短期の米国債が中心であるとのことですが、債券中心で下記のような成績を上げられるかは疑問が残ります)。
けれども、この財団の資産運用について、公表された年次報告書や財務諸表などの資料から知られることはごくわずかです。
年次報告書によれば、運用は名目年率で5パーセントのリターンを目指す保守的なものですが、実際には1999年以来、年平均で8.53パーセントの実績となっています。この間、いわゆる「ITバブル崩壊、エンロン事件」があったことを考慮すれば、かなりの好成績と言えるでしょう。
また、財団の公表しているバランス・シートからは、投資の総額のみが知られ、投資の内訳・内容については記載されていません。この投資総額は、財団の総資産の98.5パーセントに達しており、今回調査した海外巨大財団のうちでも最高レベルに属する投資比率となっています。すなわち、財団の資産は、そのほとんどすべての資産が投資・運用に回されているということです。
しかしながら、海外の巨大財団では軒並み総資産の90パーセント以上を投資していることから、この98.5パーセントという投資比率も、決して異常なほど高いとは言えないことに注意するべきです。
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