最低残高にご注意
この他に、日本の銀行に取次ぎを頼むという方法があるようですが、有料です。また、この場合でも、これまでに述べた書類の提出を求められるか、たとえ求められなくても提出しないと税制面などで著しく不利に扱われると思われます。
また、銀行によっては、「サインの証明」(日本の印鑑証明のようなもの)を求められることもあります。サインの証明は、アメリカ大使館領事部、または日本の公証人でも行っています。
なお、アメリカの銀行に一般的に言えることですが、口座の残高が最低残高に満たない場合は、口座維持管理手数料を取られることがあります。最低残高(minimum balance)の金額は銀行によっても異なりますし、変更される可能性もありますので、最新の情報は各銀行に直接お問い合わせ下さい。
その他の注意事項
以上のような手続きで、アメリカの銀行・証券会社に口座を開設することができます。
口座開設の申込書に記入すること自体は、難しくありません。どこの会社も、わざわざ面倒な申込書を書かせて顧客を遠ざけるようなことはしないからです。
ただし、一口に銀行口座・証券取引口座と言っても、いくつか種類(account type)があり、それぞれの会社によって独自の名前を付けたりしているようですから、どんな口座でどんなサービスが受けられるのかは、あらかじめ知っておいた方がいいと思います。
各会社のウェブサイトに「よくある質問」(Frequently Asked Questions, FAQ)のコーナーがありますから、そこを見れば概要がつかめるでしょう。
税務関係の書類も自分で記入しよう
むしろ問題なのは、W―7、W―8BEN、SS―4などの税務関係の書類です。
お役所関係の書類ですし、やたらに長い英語の説明書は、ちょっと読む気がしないのではないでしょうか。
でも、ここであきらめないで下さい。フォームと説明書の日本語訳さえ見れば、実は、それほど難しい書類ではないのです。
まず、書き方の説明を日本語で読んでください。そうすれば書類の趣旨と、ご自分に関係のある項目がおおよそ分かってきます。
「英語で記入する」と言っても「作文」する必要はほとんどなく、辞書を引きながら「単語」を書き込む程度です。
『完全日本語版アメリカ・ビジネスフォーム集』には、「W―7」、「W―8BEN」、「SS―4」それぞれのフォームとその書き方の説明書の日本語訳が収録されています。さらに、銀行・証券会社の口座開設申し込みに便利な英和用語集がついています。大いに参考にして下さい。
また、オリジナルの内国歳入庁関係のフォームは、内国歳入庁のホームページからダウンロードできます。アメリカの内国歳入庁のホームページは、このホームページの「海外システムを利用するためのリンク集」からリンクしています(他の国の内国歳入庁と間違えないようにご注意下さい)。
結び「日本にいながらアメリカン・ドリーム」
幾多の困難にもかかわらず再生を続けてきたアメリカ経済。そんな底力を見せつけるアメリカは、常に世界で最も大きく、魅力的な市場・投資環境であり続けます。
今や、小資本、否、ほとんど無資本であっても、しかもアメリカに行かなくても、アメリカン・ドリームが掴める時代がやって来つつあります。銀行口座・証券口座開設はその第一歩です。
皆様のアメリカでのビジネスと投資の成功を、心よりお祈り致します。
『完全日本語版アメリカ・ビジネスフォーム集』の詳細は、こちら
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