資本金はいくらに?
次に、資本金についてですが、アメリカで会社を設立した際に、資本金ゼロで設立された方も多いと思います。
しかし、「資本金ゼロ」では、日本で登記することはできません。
そこで、日本での登記に際して資本金を決定することになります。
しかし、アメリカ(デラウェア州)で登記されている設立定款には「資本金」についての記載はなく(「無額面株式」の場合)、アメリカには払い込んだ資本金の金額を銀行に証明させるという制度もありません。
また、言うまでもないことですが、日本の株式会社の最低資本金が1000万円だからといって、それに類する金額にする必要はまったくありません。資本金の額が「少ないから登記できない」ということはないのです。
ということは、「適当に決めていい」ということのようですが、株主は出資の範囲内で会社の負債の責任を負います。つまり、資本金とは「株主の責任の範囲」ということですから、資本金を1億円としたら1億円の範囲で会社の負債の責任を負わなければいけないことになります。
ですから、そのような責任を負う資産も能力もないのに、「多いほうがかっこいい」というような理由でいいかげんな資本金を書いてはいけません。資本金とは、会社債権者のための「会社の信用度の表示」だということを忘れないで下さい。
したがって、最初から支払うこともできない「いいかげんな資本金」を記載することは、一種の詐欺ですし、これで宣誓供述を行なえば「偽証罪」ということにもなります。
では、少なければいいのかというと、もちろんそんなことはありません。資本金の額があまりに少ないと、それだけ会社の信用度も落ちますし、取引先と掛けで商売するときなどに問題となる可能性もあります。
ですから、資本金については、「会社設立にかかった費用」に「自分が責任を負える(現金として会社に出資できる)範囲の金額」を加えたものを基本として、今後の経営戦略とも合わせて検討されるのがいいと思います。
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