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ノンバンクからの不動産融資

法定耐用年数を過ぎた物件に投資するヒント

 

 

不動産投資は「事業」である

 ロバート・キヨサキ氏が『金持ち父さん、貧乏父さん』で説くような「不動産投資」に必要な条件が日本では整っておらず、一般に日本における不動産投資は「投資」というよりは「事業」なのであり、「経営」としての覚悟をもって臨むべきことは、すでに述べた。

その大きな理由の一つが、アメリカでは不動産が住宅を中心に評価され、しかも築年数によっては必ずしも減価しないのに対して、日本では住宅が耐久消費財とみなされ、築年数によって価値評価が下がって当たり前と思われていること。またそのために、ノン・リコース・ローンを利用することが事実上不可能に近くなっており、仮にローンが返済不能ということになれば、不動産を手放すだけでは足りないことも、指摘した通りである。

 その背景として、末永く価値のある資産を提供しようというよりは、スクラップ・アンド・ビルドで儲けようとする建設業界・不動産業界の体質があるのは間違いないだろう。

 

 

「資産価値のある建物ができない」理由

だが、建物の価値をまともに評価した上で融資しようとしない銀行の姿勢にも問題があると言わなければならない。

 日本では、一般に、不動産融資に対する銀行の姿勢はきわめて形式的で、建物の法定耐用年数が残りわずかであったり、すでに法定耐用年数を過ぎていたりすると、投資用としてこれを買うためにローンを組むのは難しいか、不可能になってしまう。

また法定耐用年数は、建物の現実の強度にかかわりなく一律に定められているので、建築業者が特別に頑丈な建物を造ったからといって延びるものでもない。これは、実際にどんなに頑丈な建物であったとしても、法定耐用年数を過ぎた中古建物の購入には銀行ローンが得られないということだ。そして銀行ローンが受けられない物件では、売ろうとしても買い手を見つけること自体が難しくなってしまう。

こう考えると、建築業者がわざわざ頑丈な建物を造って販売したりしない理由も理解できるだろう。古くなってテナントがいなくなっても売るに売れない、しかも頑丈だから壊すのにも費用がかさむといった物件は、購入する側からしても躊躇してしまうかも知れないからだ。

 

ノンバンクからの融資

 けれども、単に築年数が法定耐用年数を超えているかどうかだけで建物の価値を評価し、融資の可否を決めてしまうというのは、あまりにお粗末な態度ではないだろうか。これでは、昨今の不動産ユーザーの多様なニーズにはとても応えられない。

例えば、古民家に住みたい、あるいは古民家を投資用に購入したいという人がいても、ローンが得られなければ現金で買う以外に方法がないことになる。また、時折耳にする「100年住宅」「200年住宅」といった高品質な住宅建設を目指す試みも、転売の可能性が限られている現状では、さほど購入者が現れず、立ち消えになってしまうかも知れない。

 

 

 しかし、そこにも抜け道がある。

銀行ならぬノンバンクでは、投資用不動産として法定耐用年数を過ぎた建物を購入する場合にもローンを組んでくれるところがあるらしいのだ。

 もちろん、金利等の融資条件は一般に銀行よりもきつくなるだろうし、ノン・リコース・ローンでもない。しかし、形式主義に偏した銀行ビジネスの欠を埋めるものとして注目するべきだろう。

 

不動産「事業」のリスクを忘れずに

法定耐用年数を過ぎて銀行ローンが得られない物件には投げ売り状態になっているものもあるかも知れないので、これはと思うものがあれば購入を検討してみる価値はある。また、旧い物件を転売しようとする場合も、法定耐用年数を過ぎてもノンバンクから融資が受けられるとすれば、買い手が付く可能性が広がるかも知れない。

 だが、金利の高いノンバンク融資であれば、銀行ローンを利用する以上に、投資家の「経営手腕」が問われることを忘れてはならない。

繰り返しになるが、日本では、『金持ち父さん、貧乏父さん』で説くような不動産投資は一般に成立し難い。ノン・リコース・ローンが一般的でない日本で成立し得るのは、「不動産投資」ではなく、「不動産経営」であるからだ。

だから、もしあなたが事業者としてではなく、投資家として収益を狙っているのなら、不動産よりも株式や債券を購入したほうが、リスクも面倒も少ないと覚えておいたほうがいいのではないだろうか。

「不動産投資」にこだわる必要は何もないのである。

収益不動産投資 成功の条件

日本で「不動産投資」は可能か

ノンバンクからの不動産融資

 

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